20.サイディングの長所、短所は?
外壁には、モルタル系、ガルスパン、漆喰、タイル等さまざまですが、今回は近頃多い、窯業系サイディングのご説明をします。
外壁にも色々な種類がありますが、窯業系サイディングの良い点としては、上の写真のように壁内部の通気層とは別に、さらに外部に通気層を設けることが容易に施工できます。これにより、建物自体が呼吸をすることができ、建物が長持ちしやすくなります。また、乾式工法のため、養生をしなくて済むので、工期も短くなります。金額もお手頃なものから揃っています。比較的軽量なため、木造建築の軽さという利点をさらに有利にします。準防火地域においても認可されます。
良い部分ばかりのようですが、しっかりとした業者に依頼しないと、サッシまわり、入り組んだ部分から、雨水の侵入があります。また、以前は半永久的に塗装替えしなくて平気という、ふれこみで発売されましたが、実情は、一般的なものでは、建築後12年~15年目位に1回目の塗装が、必要になります。その後の塗装替えでは、目地部分のコーキングの打ち代え作業も必要になります。また、一見素敵に見える色がたくさん使われているものも、塗装替えをすると残念ながら、単色になってしまいます。その意味で色柄選びは慎重になったほうが良いと思います。また、十数年後の増改築のときに、似た柄のサイディングがあるかどうかが、心配な部分です。廃版になりそうな奇抜なものは、注意が必要です。
ちなみに、当社でよく使用する窯業系サイディングメーカーは、トップメーカーのニチハをはじめ、クボタ松下電工(KMEW)や、旭トステム(AT-WALL)です。金属系では、アイジー工業のガルスパン、旭トステム(Danサイディング)です。
さらに一言、一時期流行ったノダのサイディング。30年近く経過して、なかには施工不良により、水でふやけてしまい、困っている方も多いかと思います。塗装では手に負えない場合、張り替えるとなると、下地の木材(胴縁)も取れてしまう可能性が高く、重ね張りするにあたっても、窯業系サイディングだと、約3トン近い(建物の大きさにもよります)荷重がかかります。金属製サイディングでは、厚みが増しすぎて、窓枠が壁よりも内側に入り込んでしまうという欠点が出やすいです。そこで、それらを克服する一つの方法として、ガルバリウム鋼板を透湿防水シートを張ってから、ガルバリウム鋼板を重ね張りするという手法があります。軽く、薄く、安く仕上がり、リブの形状も自由に施工でき、色も選べ、長持ちするというメリットがあります。ガルバリウム鋼板とは、簡単にいうと昔のトタン板ですが、アルミニウムを55%含んだメッキを施し、何層にも表面処理されているため、ものによっては、10年保証があるものもあります。金属製サイディングも、このガルバリウム鋼板を活用しているものが多いです。
NEWS:今秋にJIS規格改訂に伴い、窯業系サイディングの最小厚みを12ミリから14ミリに引き上げられることが発表されました。理由としては、反りの低減、防水性の向上、火災安全性の向上、強さの向上、サイディング自身の割れやクラックなどの被害軽減による、地震に対する安全性の向上、居住空間の遮音性・断熱性が向上することによる省エネ効果の向上が上げられています。しかし、これにより12ミリが窯業系サイディングのシェアの半数近くを占める現在、将来的な改修工事時に12ミリのサイディングのストックが無くなっていた場合の対応に困る可能性があります。また、14ミリでも軽量化を目指すとのことですが、今現在の商品では12ミリよりも重たくなり、建物の構造躯体に対する影響も多少ながら考えられます。当然、安価が魅力だった点でもお客様の負担が大きくなる可能性があります。窯業系サイディングの仕様に際しては、今年は動向を見守る必要が生じてきました。工務店さんとよく相談して、外壁材の選択をして下さい。
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